![]() |
|
近年、高齢化社会の到来とスポーツ熱の高まりによって筋肉・骨格・神経系の疾患は多発し、以前よりも増して整形外科医が社会に担う責任は重大だと考えます。しかし、未だに、一般の患者さんは整形外科で取り扱われている疾患がどのようなもので、如何にして診断や治療がなされているのか、十分に理解されていないところがあります。そこで、『整形外科てなぁーに』と言うタイトルで少しお話させて頂きます。 |
| 整形外科医は体のどこを治すの? |
整形外科医は頭(頭蓋骨や脳神経)と内臓を除く、すべての骨や関節、筋肉、腱、靭帯、神経、椎間板、四肢(手や足)の血管・皮膚などの外傷および障害を取り扱うspecialist(専門医)です。 代表的な治療部位をあげますと以下の如くです。 骨については 胸郭では〜鎖骨・胸骨・肋骨・肩甲骨など 上肢では〜上腕骨・前腕骨(橈骨、尺骨)・手根骨・手指骨など 下肢では〜大腿骨・下腿骨(腓骨、脛骨)・足根骨・足趾骨など 脊椎では〜頚椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨など 骨盤では〜腸骨・坐骨・恥骨など 関節については(軟骨を含む) 胸郭では〜胸鎖関節 ・肩鎖関節など 上肢では〜肩関節・肘関節・手関節・指関節など 下肢では〜股関節・膝関節・足関節・趾関節 など 脊椎では〜椎間関節・ルシュカ関節・環軸関節など 軟骨では〜すべての関節内軟骨・半月板・円板など 筋肉については 僧帽筋・上腕二頭筋・大腿四頭筋・下腿三頭筋・下腿三頭筋など 腱・靭帯については 屈筋腱・伸筋腱・アキレス腱・腱板・後縦靭帯・内側,外側側副靭帯 前,後十字靭帯・足関節外側側副靭帯・三角靭帯など 神経については 脊髄では〜頚髄・胸髄・腰髄・仙髄 末梢神経では〜頚神経・肋間神経・腰神経など 正中神経・橈骨神経・尺骨神経・指神経など 坐骨神経・大腿神経・腓骨神経・趾神経など 椎間板については 頚椎椎間板・胸椎椎間板・腰椎椎間板 ・・・・などの障害を取り扱います。 |
| どんな病気があるの? |
これらの解剖学的名称の語尾に骨折、脱臼、症、炎、症候群、損傷、断裂、捻挫、打撲、創(挫創・切創・擦過創)、麻痺、腫瘍などの障害名をつけ加えれば、個々の病名になります。例えば〜鎖骨骨折、肩関節脱臼、変形性膝関節症、肩関節周囲炎、頚肩腕症候群、指神経損傷、アキレス腱断裂、足関節捻挫、手関節打撲、下腿部挫創、正中神経麻痺、大腿骨腫瘍 ・・・・と言うように。 |
| どんな症状を治すの? |
ご存知のように、これらの疾患の主たる症状は痛みですから、ある意味では整形外科医とは痛みを緩和・治療する「いたみの専門医」と思われて下さい。さらに、運動障害や手足のしびれ、変形、筋力低下(手や足に力が入らない)、歩行障害などの症状も取り扱い治療します。 |
| どのようにして診断するの? |
診断は十分な問診(患者さんからの症状の聞き取り)を行い、患者さんを懇切丁寧に診察し、補助的診断法としてレントゲン検査や血液検査などを行います。時に、診断に苦慮し治療に難渋する症例では、必要に応じて精密検査としてCTやMRI等の検査を行い詳細な検討を加えます。 |
| どんな治療法があるの? |
治療は保存的治療(手術しない方法)が原則です。保存的治療としては日常生活動作の指導やリハビリテーション、薬物療法、注射療法、神経ブロック療法、ギプス療法、装具療法などがあります。しかし、これらの保存的治療にて改善の得られない症例はやむなく手術的治療が検討されます。 |
| 補足 |
●頭と内臓以外の痛みは整形外科専門医への受診をお勧めいたします。 ●色々な科でリハビリテーションを標榜されていますが、痛みに対するリハビリや骨・関節などの運動器のリハビリは整形外科医の専門分野です。 ●頚椎疾患(首のヘルニアや腫瘍)は整形外科医の得意とする分野です。 ●手と足の創(キズ)は皮膚の損傷だけでなく、その下に存在する腱や神経、血管などの組織が傷んでいる場合があり、腱縫合、神経縫合、血管縫合などの処置が必要となることが多々あります。従って、手・足の外傷(ケガ)の処置は腱、神経、血管の取り扱いを専門とする 整形外科専門医の受診をお勧めします。 |
| 整形外科疾患 子供の整形外科 高齢者の整形外科 表紙へ戻る |