![]() |
夫の喫煙で危険性2倍 吸わない女性の肺がん 自分はたばこを吸わないのに夫が吸う女性は、夫も吸わない女性と比べ肺腺がんになる危険性が約2倍高まるとの疫学調査結果を厚生労働省研究班が発表した。夫の1日の喫煙量が20本以上だと、リスクがさらに高まるという。同センターの最新の推計値によると、2001年に肺がんを発症した女性は2万1000人あまり。 別の調査では、肺がんの女性の約70%は非喫煙者とのデータもある。調査は岩手、秋田など全国8県の40−69歳のたばこを吸わない女性約2万8000人が対象。平均13年間の追跡調査で109人が肺がんと診断された。このうち肺腺がんだったのは82人で、さらに夫が喫煙者、もしくは以前喫煙者だった女性は67人。統計学的な計算によると30人は受動喫煙がなければ肺腺がんにならずに済んだはずだという。(平成19年12月12日 中国新聞) 妊婦喫煙で子の肥満率3倍 妊娠初期の女性が喫煙者だと、生まれた子どもが10歳になった時点で肥満になる確率が、非喫煙者に比べ約3倍高いことが山梨大医学部の山県然太朗教授らの調査で分かった。1991−97年に妊娠した山梨県の女性約1400人を追跡調査し、10歳の子ども約1000人のデータを分析した。妊婦の生活習慣が子どもの健康に与える影響についての長期的な調査は珍しい。調査によると、女性が妊娠3カ月の時点で喫煙していると、10歳となった子どもが肥満になる確率は、非喫煙の場合の2.9倍高かった。また、妊娠中に規則正しく朝食を取っていない女性の子どもも、2.4倍の高確率で肥満になっていた。肥満の判定には、肥満度を測定する国際的な指標となっている体格指数「BMI」を低年齢向けに換算して用いた。(平成19年10月24日 中国新聞) 受動喫煙、認知症の発症 他人が吸ったたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」が長期間に及ぶと、認知症の恐れが高まるとの分析を、米カリフォルニア大が公表した。たばこを吸う人は認知症リスクが高まるとの研究はあるが、受動喫煙と認知症の関係に注目した本格調査は初めてという。同大は「受動喫煙が血管に影響を与え、発症のリスクを高めているのではないか」と推測している。認知症の主な原因には、脳こうそくなどの血管障害とアルツハイマー病がある。たばこが中枢神経系に与える影響を探る目的で調査を実施。研究に協力する65歳以上の市民3602人のうち、過去に喫煙歴や心血管疾患がない985人(66〜92歳)を6年間、追跡した。このうち、受動喫煙があった人は495人で、その期間が30年以上だと、認知症の発症率が約1.3倍になることが分かった。30年未満の人では、受動喫煙の影響を受けなかった人と発症率の差はほとんどなかった。また、30年以上の受動喫煙者のうち、脳に血液を供給する頸(けい)動脈の狭さくが見つかった人では、認知症を発症する率が約2.4倍とさらに高かった。30年未満の受動喫煙者でも約1.3倍だった。喫煙は動脈硬化の危険因子とされ、狭さくもその一種。(平成19年6月26日 毎日新聞) 糖尿病患者の喫煙は腎症リスク2倍 たばこを吸う糖尿病患者は、喫煙しない患者に比べ、人工透析の原因になる糖尿病腎症の危険性が約2倍に高まることが、お茶の水女子大学の研究グループの調査でわかった。生活習慣が関係するとされる2型糖尿病の男性患者357人を、茨城県の診療所で3〜7年にわたって調べた。106人が腎症を発症したが、喫煙している患者では179人中60人が発症したのに対し、喫煙経験のない患者では104人中23人だった。過去に喫煙経験があって禁煙した患者では74人中23人が発症した。年齢や食生活などの要因を排除して解析した結果、たばこを吸っている患者が腎症を発症する危険率は、全く吸わない患者の2・1倍になった。すでにやめた患者でも1・9倍だった。1日の喫煙本数が1本増えるごとに危険率は2%上昇。喫煙年数も、1年増すごとに危険率が2%上昇した。(平成19年5月1日 読売新聞) ADHD発症児、母のたばこ影響か 落ち着きがないなどの症状が表れるADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもの場合、母親の喫煙率が同年代の女性の2倍程度高いことが、大阪府の小児科医の調査でわかった。ADHDは、生まれつきの脳の機能異常による発達障害とされ、集中力がない、衝動的な行動をするなどが特徴。治療経験の豊富な大阪府寝屋川市の小児科医院の安原昭博院長が、小児患者の母親167人に喫煙歴などをアンケートした。その結果、喫煙経験は47%にあり、妊娠時にも35%が喫煙していた。特に出産時の年齢が20〜24歳の母親では、喫煙率が88%にのぼった。一般の出生児を対象にした厚生労働省調査では、母親の喫煙率は17%、うち20〜24歳は35%で、ADHD児の母親は2倍程度高い。安原院長は「ADHDには遺伝的要因もあるが、母親の喫煙も関係があると考えられる。妊娠が分かってから禁煙したのでは遅い可能性がある」と話す。 京都市で21日開かれる子どもの防煙研究会で発表する。(平成19年4月20日 読売新聞) 赤ちゃんのアレルギー性鼻炎、親の喫煙でリスク3倍 煙の漂う室内で育った赤ちゃんは、親がアレルギー体質だった場合、1歳までにアレルギー性鼻炎を発症する割合が3倍に増えることが、米シンシナティ大(オハイオ州)の研究で分かった。 同大のG・レマスターズ教授らが、欧州の専門誌「小児アレルギー・免疫学」電子版に17日発表した。 調査の対象としたのは、親がアレルギー体質の乳児633人。 喫煙状況も含めて各家庭の室内環境などを調べ、 1歳までに表れた呼吸器系症状との関連を分析した。 その結果、室内での1日の喫煙本数が20本以上という家庭の乳児は、家族が全くたばこを吸わない家庭の乳児に比べて鼻炎の発症が倍増、特にアレルギー性鼻炎の発症は3倍に上った。 なお、今回の調査では、兄や姉が多いほど、鼻炎の発症が減る傾向がみられたという。これまでも、細菌などに感染する機会が増えると、アレルギーを抑える免疫細胞が活発になるという説が唱えられてきたが、「兄や姉の効果を0歳児で確認したのは初めて」としている。(平成18年5月18日 読売新聞) 禁煙治療に保険適用へ 厚生労働省は8日、医師による禁煙指導を「治療」と位置づけ、公的医療保険の給付対象とする方針を固めた。 禁煙指導の促進により、喫煙率は今後15年間で最大、男性26%、女性9%程度まで下がると同省研究班は試算。肺がんをはじめ、心筋梗塞や脳卒中などの生活習慣病を引き起こすとされる喫煙を減らすことで、15年後の医療費は少なくとも約1846億円抑制できるとみている。禁煙はこれまで個人の意志や努力の問題とみられてきたが、「ニコチン依存症」という病気に対する治療ととらえて、積極的な対策に乗り出す。9日の中央社会保険医療協議会(中医協)で提案する。保険を適用する治療内容を検討し、06年4月の実施をめざす。対象は、禁煙治療プログラムを受けたいと希望する人で、ニコチン依存度テストで「依存症」と判定された人。同省のモデルでは、2または4週間に1回通院してカウンセリングを受けるほか、肌にはったパッチからニコチンを吸収する置換療法を受ける。約3カ月で初診も含め計5回ほどの通院を想定している。これまでも、一部の病院が独自に「禁煙外来」を設けていたが、保険の対象ではないために全額が患者負担で、1カ月あたり3万〜4万円かかっていた。保険の対象になれば、3割の窓口負担(70歳以上は1〜2割負担)で済むようになる。次期医療制度改革で厚労省は、生活習慣病対策で中長期的に医療費の伸びを抑制する方針を打ち出しており、禁煙治療の促進はこの一環。導入によって医療費は当初は増えるものの、生活習慣病や肺がんが減ることに伴う減少で、8年目から減少に転じると研究班では試算している。欧米ではすでに、ニコチン依存症を「繰り返し治療することで完治しうる慢性疾患」ととらえる動きが広がっている。英国では99年から禁煙治療を保険の対象としているほか、米国でも民間保険会社の8割超が禁煙のための薬剤費などを保険給付の対象にしているという。日本では、日本循環器学会など9学会が保険適用を要望していた。(平成17年11月9日朝日新聞) 喫煙者の7割がニコチン依存症 たばこを吸う人の7割はニコチン依存症で、このうち7割は禁煙を試みながら失敗している。大阪府立健康科学センターの調査でこんな結果が出た。今年6月、全国の20〜79歳の喫煙者2600人にアンケートを郵送。回答があったうち、現在も喫煙をしている1666人(男性872人、女性794人)について分析した。「禁煙や本数を減らそうと試みてできなかったことがあったか」など10項目の「ニコチン依存症スクリーニングテスト」に答えてもらったところ、67.4%が依存症と判定された。男性は67.1%、女性は67.8%だった。 このうち、「禁煙したいですか」という質問に「はい」と答えたのは62.1%。また、70.6%が、今までに「試みたことがある」と答えた。いずれも、「依存症ではない」と判定された人の約1.7倍だった。また、過去1年間に医療機関を受診したうち、依存症と判定された人の32.3%は、禁煙を勧められていたが、実際に禁煙方法の説明を受けるなどの指導を受けたのは、その16%にとどまった。調査をまとめた中村正和・健康生活推進部長は「ニコチン依存を断ち切るのは難しい。禁煙治療を欧米のように医療保険の対象にし、普及を図る必要がある」と話す。(平成17年11月7日 朝日新聞) タクシー内喫煙、粉じん濃度9〜50倍に タクシーの車内で1人の乗客が喫煙すると、窓を5センチ開けても粉じん濃度が環境基準(1立方メートルあたり0.15ミリグラム)の9倍に達することが、東京大の中田ゆり客員研究員(国際地域保健学)らの調査で分かった。濃度が元に戻るには30分以上もかかり、研究グループは「乗務員や、喫煙者の後の乗客は受動喫煙の被害に遭う恐れが高い。全面的な禁煙化が必要だ」と訴えている。中田研究員らは昨年5月、東京都内で走行中のタクシー車内で、乗客がたばこを1本吸った時の粉じん濃度の変化を測定した。窓を5センチ開けた場合、喫煙者1人で粉じん濃度が環境基準の9倍、2人で24倍、3人で31.6倍にまで上昇した。喫煙者1人でも濃度は30分以上、元に戻らなかった。さらに窓を閉め切った状態では、喫煙者1人で環境基準の12倍となり、1時間以上も濃度が戻らなかった。喫煙者が2人では32倍、3人では49.6倍だった。環境基準は、職場における粉じん被害の目安として、健康増進法に基づき厚生労働省がガイドラインで定めている。一方、東京都内のタクシー運転手372人に聞き取り調査した結果、1回の勤務で乗客がたばこを吸う本数の平均は10.6本だった。運転手の47%が不快と感じ、38%はのどや目の痛み、せきなどの症状の経験があった。54%はタクシーを禁煙化すべきだと回答した。(平成17年9月18日 毎日新聞) 子どもの誤飲事故、「たばこ」が4割 異物をのみ込み窒息などを起こす子どもの「誤飲事故」のうち、約4割を「たばこ」が占め、昨年度も嘔吐(おうと)が止まらないゼロ歳児が入院した例があったとの調査を国民生活センターがまとめた。幼児のニコチンの急性致死量はたばこ1本から半分といい、同センターは「危険物という意識を持ち、子どもの手の届くところに置かないでほしい」と呼びかけている。 国民生活センターが全国20の総合病院から情報提供を受け、10歳未満の子どもの誤飲事故について調べたところ、2000年4月から05年1月末、誤飲で子どもが病院にかかった例は計2714件。 窒息症状から低酸素症になり、死亡した事例もあるという。(平成17年5月7日 日本経済新聞) 喫煙、本数が多いほど自殺の危険性大 中高年の男性喫煙者では、1日に吸うたばこの本数が多いほど自殺する危険性が高まるとの大規模疫学調査結果を厚生労働省研究班がまとめた。研究班は「たばこの本数の多い人の心の健康に注意を払う必要がある」と提言している。21日から大津市で開かれる日本疫学会で発表する。研究班は90年と93年に岩手、長野、高知、長崎、沖縄など8県に住む40〜69歳の男性約4万5000人の生活習慣などを調べ、00年まで健康状態を追跡調査した。この間に自殺が確認された173人について、喫煙との関係を調べた。調査開始時は173人中108人が喫煙者だった。1日20本未満の喫煙者の自殺割合は非喫煙者と同程度だったが、1日30〜40本未満のグループは20本未満のグループに比べ1.4倍、40本以上のグループは同1.7倍高かった。吸い始めてからの年数による差は見られなかった。高知大が昨年まとめた司法解剖例の調査でも、たばこを吸う習慣がある人では、自殺した人の血液中のニコチン濃度が事故や病気で死亡した人よりも高いとの結果が出ている。分析を担当した国立がんセンター予防研究部の岩崎基研究員は「喫煙と自殺を結びつけるメカニズムはよく分かっていないが、ニコチン依存がうつ病の危険性を高めるという研究結果もある。禁煙によって危険性が下がるかどうかは今後の研究課題だ」と話している。(平成17年1月18日 毎日新聞) 受動喫煙で子供の成績低下 受動喫煙の機会が多いと、子供の読解や算数の成績が悪いとの研究を、米シンシナティ子供病院(オハイオ州)のチームがまとめ、4日、米公衆衛生専門誌に発表した。受動喫煙の子供の健康への害は知られているが、知的能力への影響ははっきりしていなかった。今回の研究で、子供がさらされるニコチンが低濃度でも危険なことも示され、たばこを吸う親に禁煙圧力が強まりそうだ。研究は、過去に米政府が全米で実施した健康調査の被験者になった6―16歳の子供で、たばこを吸わない約4400人が対象。ニコチンが分解されてできる「コチニン」という物質の血液中の量を測ったうえで読解、算数(数学)、論理的思考力、短期記憶力をテストした結果、人種や性差、経済状態などによる差を考慮しても、コチニン濃度が高いと読解、算数、論理的思考力の点数が低いことが判明。濃度が極めて低くても関連ははっきりしていた。(平成17年1月4日 日本経済新聞) 喫煙で乳がんのリスク4倍に 閉経前の女性は喫煙によって乳がんになるリスクが、たばこの煙を吸う機会がない女性の3.9倍に高まり、受動喫煙だけでも2.6倍になることが、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の調査でわかった。岩手、秋田、長野、沖縄の4県で、90年に生活習慣アンケートに答えた40〜59歳(当時)の女性約2万2000人を約10年間追跡調査し、180人が乳がんになった。 90年時点で閉経していたかどうかで分けて分析し、「受動喫煙」は、喫煙者と10年以上一緒に住んだことがあるか、職場などでほぼ毎日1時間以上たばこの煙を吸う機会がある、と規定した。津金部長は「受動喫煙の影響も予想以上に大きい」としている。 一方、閉経後の女性では、喫煙や受動喫煙の影響ははっきりみられなかった。女性ホルモンが乳がんに関係するため、閉経前後で違いがでたらしい。 喫煙の乳がんに対する影響調査は、これまで結果が分かれていたが、今回の大規模な追跡調査で影響が確かめられた。(平成16年11月30日 朝日新聞) 中高年男性の癌、3割は喫煙が原因 中高年男性のがんの3割は喫煙が原因となっている可能性の高いことが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模調査でわかった。研究班は、1990年から93年に40―69歳だった男女9万2790人について、がんにかかったかどうかを喫煙習慣とともに約9年間にわたり追跡調査した。調査が終わる2001年末までにがんになったのは約5000人。男性の52・2%、女性の5・6%が、調査終了時にたばこを吸っていた。調査開始から継続してたばこを吸っていた人ががんになった割合は、吸わない人に比べ男性で1・64倍、女性は1・46倍に達した。調査終了時に禁煙していても、男性は吸わない人より1・47倍がんになりやすく、過去の喫煙の影響がぬぐいきれないこともわかった。これらの数字をもとに、喫煙が原因でがんになった人の割合を推定すると、男性は29%、女性では2・8%となった。 研究班は、「結果を日本人全体にあてはめると、喫煙習慣がなければ、9万人ががんにならないで済んだ可能性がある」と説明している。(平成16年10月2日 読売新聞) 脳卒中の予防、禁煙が第一 たばこを吸う人は吸わない人に比べ、男性で3.6倍、女性で2.7倍、脳卒中の一種のくも膜下出血になりやすいことが、厚生労働省研究班の大規模疫学調査で24日までに、分かった。脳卒中全体でも喫煙者の発症率が高かった。たばこを吸わなければ、日本で年間約16万人の脳卒中を予防でき、約1万5000人の死亡を防ぐことができる計算という。 研究班は4、50代の日本人男女約4万2000人を1990年から11年間追跡。喫煙と脳卒中の関係を調べた。喫煙との関係が最も大きかったくも膜下出血の場合、非喫煙者に比べ、喫煙本数が1日20本未満の男性は3.2倍、20本以上40本未満の男性は3.8倍、それぞれ発症率が高かった。脳の太い血管が詰まる「大血管脳梗塞(こうそく)」、細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」も同じ傾向。 男性の喫煙者は非喫煙者に比べ発症率がそれぞれ2.2倍、1.5倍高かった。どちらも1日の本数が40本以上になると、発症率は2倍を超えた。(平成16年8月24日 日本経済新聞) 喫煙者の男性で平均13.2年、女性で平均14.5年、寿命が短縮 米国厚生省(HHS)は5月27日、喫煙は体のほぼ全ての臓器に対して悪影響があることを明らかにする報告書、「The Health Consequences of Smoking」を公表した。 報告書では、これまでの研究結果のエビデンスに基づき、喫煙が原因と考えられる多数の疾患を特定している。 HHSでは1964年に、初めて喫煙の健康に与える悪影響について報告書をまとめて以来、27回に渡り同様の報告書を公表している。今回、これまでの報告書で特定できなかった疾患で、新たに因果関係があると認めたものの例としては、胃癌、子宮頚癌、膵臓癌、腎臓癌、急性骨髄性白血病、肺炎、腹部大動脈瘤、白内障、歯周炎などがある。同報告書ではまた、喫煙者は男性で平均13.2年、女性で平均14.5年、早死にするとしている。米国では毎年、喫煙が原因で死亡する人は約44万人だという。さらに喫煙が原因となる疾患の治療にかかる医療費は年間750億ドルで、生産性が失われることによる損失は年間820億ドルに上るとしている。(平成16年5月28日 medwave) 1日にたばこ10本で肝臓がん再発率2倍 治療して肝臓がんの病巣が消えても、1日にたばこを10本以上吸う習慣があると、がん再発の危険性が約2倍に高まることが、北里大医学部の渋谷明隆講師の調査で分かった。 同大病院で1991―2002年に肝臓がん治療を受け、見かけ上がん病巣が消えた131人を追跡調査。再発した73人について、性別、年齢、治療法、生活習慣など様々な角度から分析し、再発を招いた原因を探った。その結果、毎日10本以上の喫煙習慣がある人が肝臓がんを再発する確率は、そうでない人の1・8倍だった。 最も強い関連があったのはC型肝炎ウイルス感染の有無で、感染者の再発率は非感染者の約3倍。肝臓に複数のがん病巣があった場合も、再発率は約2倍だった。 それ以外に目立った差のある要因はなかった。渋谷講師は「三つの再発要因のうち、喫煙だけは自分の努力で解決できる。肝臓がんの治療をした人は、禁煙した方がいい」と話している。(平成16年5月17日 読売新聞) 受動喫煙で動脈硬化の危険度アップ、免疫細胞増を確認 たばこの先端から立ち上る煙(副流煙)や喫煙者のはき出す煙を吸い込む受動喫煙で、血液中の免疫細胞の数が増えることを筑波大社会医学系の谷川武・助教授らが突き止め、14日発行の米国医師会誌に発表した。リンパ球など免疫細胞は、ウイルスや細菌を殺したり、抗体を作ったりするが、増え過ぎると血管内の炎症を起こし、動脈硬化の危険が高まるとされている。 谷川助教授らは電力事業所の男性従業員670人の血液中のリンパ球や白血球など免疫細胞の数を調べ、喫煙者(363人)、喫煙経験者(154人)、喫煙歴がなく家族や同僚にヘビースモーカーがいる受動喫煙者(118人)と、非受動喫煙者(35人)に分けて比較した。 その結果、リンパ球数は非受動喫煙者と比べ、喫煙者が1・7倍、受動喫煙者が1・3倍だった。 リンパ球の中で、血管内の炎症と深くかかわるとされる細胞(CD4)は、喫煙者が1・8倍、受動喫煙者が1・3倍で、白血球数は、喫煙者1・2倍、受動喫煙者1・1倍だった。(平成16年4月15日 読売新聞) 癌が気になる人は「減煙」より「禁煙」を 癌にはなりたくない、でもたばこは止められない。そんな人の多くが取り組むのが「減煙」。せめてたばこの量を減らして、少しでも発癌物質を体に入れないようにしようというわけだ。だが、米国で行われた研究で、たばこを吸う本数を減らしても、体に取り込まれる発癌物質の量は意外と減らないことがわかった。研究結果は、米国国立癌研究所(NCI)が発行するJournal of the National Cancer Institute誌1月21日号に掲載された。たばこが関係する癌というと、真っ先に頭に浮かぶのが肺癌。しかし、実は肺癌のほかにも、胃癌や肝臓癌、頭頚部癌、膵臓癌など様々な癌にかかるリスクが喫煙により増えることがわかっている。ちなみに、一昔前に「たばこを吸う人では乳癌が少ない」との発表があったが、その後の大規模な調査で、身内に乳癌の人がいない(乳癌の家族歴がない)人ではやはり、たばこで乳癌にかかるリスクが増えることが判明している。 たばこには様々な発癌物質が含まれているが、なかでもNNALと呼ばれる物質は、尿検査でどれだけの量が体内に取り込まれたかがわかる。そこで、米国Minnesota大学のStephen S. Hecht氏らは、153人の「わかっちゃいるけどやめられない」喫煙者に協力してもらい、ニコチン補助療法などを使って、半年かけてたばこの量を4分の1にまで減らす実験を行った。たばこを減らすと、NNALの量も減るかどうかを調べる実験だ。すると、153人中65人は、実験開始から1カ月でたばこの量をほぼ半分に減らすことに成功。2カ月目には目標である「4分の1まで減煙」を達成、半年後もそのペースをキープできた。1日1箱(20本)吸っていた人なら、1日5本にまで減らしたというわけで、なかなかのもの。ところが、尿に含まれるNNALやその代謝物の量は、最初の1カ月で3割減ったが、その後は全く減らなかった。たばこの本数をがんばって減らしたのに、努力が報われなかったわけだ。 どうしてこんなことになってしまうのだろうか。Hecht氏らはその原因の一つが、「たばこの吸い方の変化」にあるとみる。たばこの本数を減らした人では、1本のたばこを以前よりもフィルターに近いところまで吸ったり、煙を深く吸い込んでしまう。減煙に意味が無いわけではないが、この「代償行動」のため、思ったほど効果が出ないらしい。癌が気になる喫煙者は、たばこを減らそうとするよりも、思い切って止めた方がいいようだ。(平成16年1月22日 Medwave) 心筋梗塞後も禁煙で冠動脈改善 心筋梗塞(こうそく)になった人でも、禁煙することにより、心臓に栄養などを送る冠動脈の機能が、比較的短期間に改善することが、徳島赤十字病院循環器科の細川忍副部長らの研究で明らかになり、このほど開かれた日本心臓病学会で発表された。動脈硬化が進んだ人でも、禁煙が効果的であることが示された。 たばこを吸うと、ニコチンや一酸化炭素の影響で動脈硬化が進み、心筋梗塞などの危険が高まることが知られる。だが、禁煙によって冠動脈の機能がどう変化するか調べた研究はこれまでほとんどなかった。 細川副部長らは、急性心筋梗塞で病院に運ばれ、手術が成功した53人(平均年齢63歳、うち男性38人)について、手術1か月後と6か月後の冠動脈内皮の機能を調べた。 血管の収縮具合を調べる検査では、発症まで喫煙し、その後に禁煙した35人は、1か月後では、喫煙したことのない18人に比べ機能が明らかに劣っていたが、6か月後にはその差が縮まった。 細川副部長は「退院後、再び喫煙し始める人も多い。今回のデータなどを基に禁煙の重要性を訴えていきたい」と話している。(平成15年9月16日 読売新聞) 発がん物質含有量、「米国たばこは倍以上」 米国製のたばこは、ほかの国のたばこに比べ、倍以上の発がん物質を含んでいることが、米疾病対策センターの調べで分かった。 ロイター通信などによると、同センターは、世界一の売り上げがある米国製の人気銘柄「マルボロ」と、日本、ドイツなど13か国のたばこについて、発がん物質「ニトロソアミン」の含有量を比べた。 その結果、日本を含む10か国のたばこの含有量は、マルボロの半分以下だった。また、マルボロを製造している米フィリップ・モリス社以外の米国製たばこも、マルボロと同程度の発がん物質を含んでいたという。 同社は「ニトロソアミンの量が多いことには気づいており、製品から減らすよう努力し始めている」と説明している。(平成15年5月31日 読売新聞) たばこが子宮筋収縮を促進、流産や早産の危険 たばこを吸うと、子宮の筋肉が収縮しやすくなることを関西医大の安田勝彦助教授(産婦人科)らのグループが妊娠したラットを使った実験で突き止め、福岡市で開催中の日本産科婦人科学会で14日発表した。妊娠中の喫煙は流産や早産につながる危険性があると指摘されている。同助教授らは喫煙で子宮筋収縮が誘発、促進されることが、その一因になっている可能性があるとみて、詳しいメカニズム解明を進めている。同助教授らは、妊娠中のラットに、特殊な装置を使って1日当たり、たばこ7本分に相当する煙を3日間吸わせた後、子宮筋の組織を採取。妊婦の体内で出産前後に働くホルモンで、子宮筋収縮作用のある「オキシトシン」の溶液に入れて、収縮反応を調べた。この結果、非喫煙群に比べて、収縮反応が2倍以上に高まっていることが判明。また、このホルモンと反応する受容体がよく働いていることも分かり、喫煙がこのホルモンに対する感受性を高めると考えられるという。(平成15年4月14日 日本経済新聞) AMIの長期生命予後が発症後の禁煙で改善、前向き追跡研究で示唆 急性心筋梗塞(AMI)を起こした喫煙者のうち、退院後に禁煙に踏み切った人では、喫煙を続けた人より死亡リスクが6割低いことがわかった。「禁煙」がAMI患者の長期生命予後を改善することは、海外の疫学研究からは示唆されていたが、喫煙率が高い日本人における疫学データはこれが初めて。 AMIの生存退院患者約2500人を平均2.2年間追跡した結果で、大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学の金城都博氏らが、3月30日の一般口演「Acute Coronary Syndrome, Basic/Clinical」で報告した。 今回行われた解析の対象患者は、大阪大学など25施設が参加して、AMIなど急性冠症候群に関する研究を行う「大阪急性冠症候群研究会」(OACIS)の登録患者。 金城氏らは、1998年4月から2000年3月の2年間に登録されたAMI生存退院患者のうち、喫煙状況などに関するアンケートへの協力が得られ、予後が確認できた2570人(平均年齢:63.8歳、うち男性:2010人)を解析対象とした。 アンケートの実施時期は退院3カ月後で、回収率は78%。 予後は99%の患者について確認が取れた。平均追跡期間は2.2年。なお、OACISには2003年2月時点で総計4446人が登録されており、数々の有用な研究報告がなされている。 解析対象者のAMI発症前の喫煙状況は、喫煙歴がない人が856人(33%)、禁煙中の人が328人(13%)、喫煙中の人が1386人(54%)。 AMI発症前にたばこを吸っていた1386人では、発症後に944人(68%)がたばこを止めたが、442人(32%)は発症後もたばこを吸い続けていた。 「発症後は禁煙した人」(AMI後禁煙者)と「発症後も喫煙を続けた人」(喫煙継続者)とでは、平均年齢(61.7歳対60.1歳)と再灌流療法の施行率(92.1%対87.5%)にのみ有意差があったが、AMIの重症度や退院時の処方薬など他の背景因子に差はなかった。 金城氏らは、Cox回帰分析で「AMI後禁煙者」と「喫煙継続者」との生命予後を比較。その結果、多変量解析で背景因子を補正した後も、AMI後禁煙者の死亡ハザード比は0.41(95%信頼区間:0.23〜0.74)となり、「AMI後の禁煙」が長期予後の独立した改善因子であることが明らかになった。 興味深いのは、AMI後禁煙者と喫煙継続者の生存率曲線が、およそ2年後まではほぼ同様に推移し、その後に乖離していくこと。 このデータは、少なくとも2年禁煙しないと、禁煙による生命予後改善効果は出にくいことを示唆している。 また、OACIS参加施設では、AMIで入院した患者の喫煙状況を調べ、喫煙者には禁煙指導を行っているはずだが、3カ月後の患者アンケートでは「指導を受けたと回答した人は半数程度」(金城氏)だった。禁煙指導の方法に改善の余地があることを示唆するデータで、金城氏は「今回得られた、禁煙の生命予後改善効果を示すデータを患者に提示することで、より有効な禁煙指導が行える可能性がある」と考察している。(平成15年4月1日medwave) 子どもの誤飲事故、たばこが半数近く 子どもの誤飲事故のうち、半数近くを依然としてたばこが占めていることが、厚生労働省の13日公表した調査結果でわかった。たばこの1位は調査を始めてから23年連続。生後6〜17カ月が9割を占め、同省化学物質安全対策室は「手の届かないところにたばこを保管するなど、この時期に特に気を付ければ多くの事故は防げる」と注意を呼びかけている。 調査は皮膚科8病院、小児科8病院の協力を得て事例を集める「01年度家庭用品健康被害病院モニター報告」。誤飲の報告計886件のうち、たばこは401件(45.3%)を占め、2位の医薬品など122件、3位の玩具57件を大きく引き離した。空き缶に水を入れて灰皿代わりにするなどし、ニコチンが吸収されやすい水溶液の形で誤飲した例も7件あった。死亡例はなかったが、たばこ1本分のニコチンが溶け出せば乳幼児の致死量に相当する。(平成15年2月13日 朝日新聞) 日本呼吸器学会、喫煙者は専門医として認めません 日本呼吸器学会(理事長、福地義之助・順天堂大教授)は、同学会認定の専門医に「禁煙」を義務づけ、喫煙者は専門医認定や更新を拒否する方針を固めた。3月13日から福岡市で開く総会で「禁煙宣言」し、学会則にも盛り込む。医学関係の学会が専門医のし好品を制限するのは初めてといい、論議を呼びそうだ。日本呼吸器学会の会員は約1万人(専門医は約3000人)。97年に医療従事者や患者、国民に禁煙を訴える「禁煙勧告」を出した。ところが、学会員の喫煙率は96年が21%で、徐々に低下したものの01年でも約15%に上る。このため、内部から「専門家として範を垂れる必要がある。示しがつかない」と声が上がり、昨年5月から「禁煙問題に関する小委員会」(委員長、永井厚志・東京女子医大教授)で議論を重ねてきた。個人のし好まで規制されることに抵抗は強く、「義務化ではなく、個人の良心に任せるべきだ」などと、激論が交わされた場面もあったというが、同9月の理事会で大筋合意にこぎつけた。理事20人のうち数人は喫煙者だったが、禁煙方針に反対者はおらず、現在はいずれもたばこをやめているという。同学会の認定専門医は、5年ごとに更新手続きがある。今後、喫煙者は更新を拒否され、「専門医」の看板をはく奪される。禁煙したかどうかは自己申告に基づくが、「うそを言っても、喫煙者の呼気は禁煙者に比べて一酸化炭素の濃度が高く、機器を使えば一発で見分けられる」と関係者は言う。同学会幹部は「医者自らやめることで、患者の苦労を理解し、患者を禁煙に導いてほしい」と話している。(平成15年2月6日 毎日新聞) 禁煙推進に関する日本医師会宣言」案まとまる 日本医師会の禁煙推進委員会は1月28日、「禁煙推進に関する日本医師会宣言」案を作成し、日医会長に提出した。日医は4年前に、禁煙運動を積極的に進める方針を示して以降、様々な禁煙推進活動を行ってきており、今回の禁煙日医宣言案の作成もその活動の一環。この中で、「喫煙は、癌・心臓病・肺気腫などの疾病の原因となるなど健康に悪影響を与えることが医学的にわかっている。また、受動喫煙についても、健康被害があるとの研究結果が報告されている」と明記した。その上で、喫煙大国からの脱却を目指して、禁煙運動や受動喫煙の防止に積極的に取り組む姿勢を示してい。宣言内容は、1.医師および医療関係者の禁煙を推進する、2.全国の病院・診療所および医師会館の全館禁煙を推進する、3.医学生に対する、たばこと健康についての教育をより一層充実させる、4.たばこの健康に及ぼす悪影響について、正しい知識を国民に普及啓発する。特に妊婦、未成年者に対しての喫煙防止を推進する−−など7項目からなる。禁煙日医宣言は、次の代議員会で採択される予定。なお、日医会員の喫煙率は、日医雑誌2000年9月1日号によれば、男性が27.1%、女性が6.8%と、一般国民と比べればかなり低い。しかし、喫煙する医師は、患者に対する禁煙指導に消極的な態度を取りやすいこともわかったため、医師が率先して禁煙に取り組むことが重要だとしている。また、日医は1月27日付で、世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」議長案を、日本政府がその内容を後退させることなく、条約の成立および批准に向けて尽力することを求める旨の要望書を提出している。(平成15年1月29日medwave) スモーカーは魚介類を! タウリンが血管を若返らせる たばこを吸うと血管の動脈硬化が進むことが知られているが、魚介類などに豊富に含まれるアミノ酸、タウリンを摂取すると、硬くなった血管が元に戻ることがわかった。必要なタウリン量は1日1500mgで、魚介類ならほぼ一食分に相当するという。研究結果はCirculation誌1月28日号に掲載予定で、このほど同誌のホームページ上で早期公開された。この研究を行ったのは、アイルランド王立医学校(Royal College of Surgeons)のF. M. Fennessy氏ら。Fennesy氏らは、「魚を1日一皿以上食べる人では心臓病(心血管疾患)が少ない」という疫学調査結果に注目。15人の喫煙者に、魚一皿(100g)に含まれるのと同じ量のタウリン(1500mg)を5日間飲んでもらい、血管の硬さがどの程度変わるかを調べた。研究に協力した喫煙者は20〜37歳と若く、血圧は正常、糖尿病も高脂血症もなかった。普通ならまだまだ血管が柔らかい年齢のはずだが、たばこを吸っているためか、同じ年齢層の非喫煙者(15人、21〜37歳)よりも動脈硬化が進んでいた。ところが、タウリンを5日間飲んだ後では、血管が非喫煙者と同じくらい柔らかくなることが判明。血管内皮の機能も改善していた。さらに研究グループは、同じ実験をビタミンC(1日2000mg)を使ってやってみた。すると、ビタミンCでも同じような効果があったが、効果はタウリンの方が大きかった。タウリンは、血圧の安定やコレステロール値の低下、視力の衰えを防ぐ作用など、様々な生理作用があるとされるアミノ酸。カキなどの貝類やノリなどの海藻類、カツオなどの魚の血合い肉やイカ、タコなどに豊富に含まれている。動脈硬化が気になる喫煙者は、1日一食は魚介類を食べるよう心掛けた方が良さそうだ。(平成15年1月14日medwave) 日本男性の喫煙率、G7で群抜きトップ 世界保健機関(WHO)は15日、各国のたばこ消費などをまとめた「世界たばこ地図」を発表、日本のたばこ輸入量は世界最大の年間約835億本に達した。また、男性の喫煙率は52・8%と、先進七カ国(G7)の中でも群を抜いて高かった。ジュネーブで同日始まった「たばこ規制枠組み条約」の交渉に合わせ発表した。大手たばこ会社を抱え、拘束力が強い規制に反対する日本や米国などの「たばこ大国」ぶりを浮き彫りにする狙いもあるようだ。「たばこ地図」によると、日本の女性喫煙率は13・4%と、男性とは対照的にG7の中で最低。このため、男女の合計では33・1%となり、ドイツ(35・0%)やフランス(34・5%)をやや下回った。男女合計の喫煙率が一番高かったのは、ナウルの54・0%。たばこ輸入では、日本の後はフランス(約676億本)、イタリア(約565億本)と続いた。タバコ葉の作付面積では中国が約144万ヘクタールと、2位のインド(約46万ヘクタール)を大きく引き離しトップとなった。(平成14年10月1日産経新聞) 喫煙関連の死者、年に490万人 世界保健機関(WHO)は11日、「たばこ規制枠組み条約」の第5回策定交渉が14日から始まるのを前に、喫煙に関連する病気によって世界で毎年490万人が死亡している、と発表した。同条約の策定作業が始まった2年前に、WHOは同死者数を約400万人としていた。 途上国では喫煙者数の増加が続いており、今後も、喫煙に関連する死亡者数は増え、2030年には、少なくとも1000万人に達するという。 ブルントラントWHO事務局長は、たばこ広告や自動販売機の規制などを盛り込んだ枠組み条約の交渉を促し、「条約がより厳しい内容になれば、それだけ人命が救われる。一方で、成立が遅れることは、死者の数が増えることを意味する」と指摘した。(平成14年10月12日朝日新聞) 乳幼児突然死「親の喫煙」きっかけも 原因不明とされる乳幼児突然死症候群(SIDS)は、親の喫煙がきっかけの一つとなる可能性の高いことが、オーストラリアの研究チームの調査でわかった。 SIDSを防ぐために赤ん坊をあおむけに寝かせていても、親が喫煙していることによって、うつぶせに寝かせたときと同程度の危険性があるという。 ロイター通信によると研究チームは、24人の赤ちゃんを対象に、寝ている時に顔に風を吹きかけ、眠りから目覚める力(覚せい力)を調べた。 このうち母親に喫煙習慣がある11人の赤ちゃんは、喫煙しない13人より明らかに覚せい力が低く、あおむけに寝かせていても目覚めが悪かった。 目覚めの悪さは、SIDSが起きやすいと言われている生後2―3か月の期間で顕著だったという。 たばこの煙に含まれるニコチンは、血流を悪化させる作用があり、妊婦が喫煙すると、流産したり低体重児が生まれる恐れが増加すると指摘されている。(平成14年9月17日読売新聞) 喫煙者のアテローム発生、慢性感染で3倍に たばこを吸う人が、気道感染症や歯周病などの慢性感染症に罹患していると、頚動脈に粥状動脈硬化(アテローム)が発生する頻度が5年で3倍以上になることがわかった。一方、喫煙者でもこうした慢性感染にかかっていない場合、アテロームの発生頻度は感染症に罹患していない非喫煙者と変わらなかったという。喫煙を介した動脈硬化が、感染症で促進されることを示した疫学データは初めて。研究結果は、Stroke誌9月号に掲載された。この研究を行ったのは、オーストリアInnsbruck大学病院神経科のStefan Kiechl氏ら。Kiechl氏らは、イタリアBruneckに住む40〜79歳の男女826人を追跡し、喫煙、慢性感染とアテロームの新規発生との相関を調べた。超音波診断装置で頚動脈を定期的に調べ、狭窄が40%を超えた場合をアテロームの新規発生と定義した。対象者の54.8%は非喫煙者、25.7%は元喫煙者で、19.5%が現在も喫煙していた。平均年齢は非喫煙者と元喫煙者が約59歳で、現喫煙者が54歳とやや若い。男性比率は非喫煙者が3割、元喫煙者が約8割、現喫煙者が7割弱。気道などの慢性感染には268人が罹患しており、最も多いのが慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う再燃性感染(141人)で、次いで慢性気管支炎(86人)、慢性・再燃性尿路感染(34人)や歯周病(19人)が続いた。慢性感染の罹患率は、非喫煙者が最も低く26.4%で、現喫煙者では45.5%とおよそ二人に一人の割合。元喫煙者はその中間で、喫煙年数が長いほど罹患率が上がる傾向があった。5年間の追跡期間で332人がアテロームを発生したが、発生率は喫煙や慢性感染の罹患と深く関連していることが判明。年齢や性別、血清脂質、喫煙・飲酒量などで補正した後も、非感染・非喫煙者を基準とした場合、感染・喫煙者のアテローム発生率は3.3倍、感染・元喫煙者では3.4倍と有意に高くなった。興味深いのは、たとえ喫煙者や元喫煙者でも、慢性感染に罹患していなければ、アテロームの発生率は非感染の非喫煙者と変わらない点だ(オッズ比は順に1.4と0.9、いずれも有意差なし)。「たばこを吸っても、慢性感染にかからなければ動脈硬化性疾患にはなりにくい」とも解釈できるデータだ。しかし、喫煙がCOPDや歯周病など、各種の慢性感染や易感染状態になる危険因子であることも事実。いったん慢性感染にかかったら、動脈硬化性疾患を起こすリスクが跳ね上がることを、喫煙者はよく頭に入れておく必要があるだろう。(平成14年9月13日medwave) 喫煙1日20本、低体重児の出産リスク3倍に 妊娠中に、たばこを1日20本以上吸った妊婦の場合、吸わない人や禁煙したケースに比べ、低体重児(2500グラム以下)が生まれる率が3倍以上と高くなることが東海大学医学部の逢坂文夫講師らの調査でわかった。 逢坂講師らは、母親1863人を対象に、喫煙歴などを調べた。その結果、低体重児が生まれる率は、非喫煙者が7・8%、妊娠していることがわかってから禁煙した人は6・2%だった。 これに対し、妊娠判明後も1日20本以上吸った妊婦では25%と高かった。1日1―19本吸った人の場合は6・5%で、非喫煙者と大差がなかった。喫煙グループでは、新生児の平均体重が少ない傾向があり、妊娠中毒症にかかる割合も2倍以上高かった。妊娠判明後も喫煙を続けた人の割合は、若い年齢層ほど多く、24歳以下が43%と、25―29歳(23%)や30歳以上(28%)を上回った。また、配偶者が1日20本以上たばこを吸うヘビースモーカーの家庭では、妊婦の喫煙率も42%と高かった。(平成14年7月8日読売新聞) WHOが癌の予防と治療 最新の研究結果を元に、癌の効果的な一次予防やスクリーニング、診断と治療について解説している。一次予防についてはまず、喫煙が癌の最大の原因で、先進国の癌による死亡の3割が喫煙によるものだとしている。 また、果物や野菜の多い食生活がある種の癌を予防し、一方で赤身の肉などは一部の癌発症リスクを増大するという。 さらに、アルコール摂取やB型肝炎ウイルスのワクチン投与、日焼け、ある種の職業と癌発症リスクなどについても触れている。 また、スクリーニングについては、子宮頚癌や乳癌、大腸癌、前立腺癌などについて、研究結果を元に、効果のある実施年齢やスクリーニングの方法などについて述べている。 WHOによると、癌に対する国の政策の多くが、コスト効果や患者のQOL(生活の質)への影響如何にかかわらず、癌の一次予防や早期発見よりも治療に偏ってしまっているのが現状だという。 今回のガイドラインによれば、毎年世界中で新たに診断される1000万人の癌患者のうち、3分の1は予防が可能で、他の3分の1は、早期発見により効果的に治療できるはずだと見積もっている。 なお、同ガイドラインによれば、癌による死亡は、世界全体の死亡の約12%に上るという。(平成14年7月3日medwave) 喫煙は肺がん以外も危険増大 たばこは肺がんだけでなく、胃がんや肝臓がんなど他の部位のがんを発病する危険性も高めるという警告を19日、世界保健機関(WHO)の専門家組織がまとめた。たばこの害に関する1986年以来の大規模な見直しの結果で、たばこは喫煙者本人だけでなく周囲の人の発がん率も高めるとしている。 結論を出したのは、発がん物質とがんの関係について取りまとめている「国際がん研究機関(IARC)」。世界12か国の29人の専門家が、過去3000件以上の研究結果をもとにまとめ、胃、肝臓、腎臓、子宮けいがん、骨髄性白血病についても、肺がんと同程度に喫煙による発がん率が高まると結論づけた。乳がん、子宮体がんには影響はなく、前立腺(せん)がんも可能性は低いとされた。 また、本人はたばこは吸わなくても、日常的に周囲に喫煙者がいる受動喫煙でも肺がんの発病率が20%も高まるとした。 発がん物質研究の権威、米ミシガン大のスティーブン・ヘクト教授によると、たばこに含まれる様々な発がん物質が血液中を循環して、肺以外のがんにも影響する。禁煙用のニコチンガムなどは発がんとは無関係という。ヘクト教授は「喫煙した期間によるが、禁煙に成功すれば発がんの危険性は徐々に下がり、最終的に非喫煙者と同程度まで低下する」と話している。(平成14年6月21日読売新聞) ニコチンワクチンの臨床試験を開始 米国Nabi Biopharmaceuticals社はこのほど、ニコチンの脳内への取り込みを妨げる、コンジュゲートワクチン「NicVAX」の第1相臨床試験を開始したと発表した。このワクチンは、ニコチンに対する抗体産生を促して「たばこを吸っても気持ち良くなれない」ようにするもので、人を対象にした臨床試験は世界初。動物を用いた試験では、血中のニコチン濃度をかなり高く設定した場合でも、ワクチン投与で脳内ニコチン濃度が6割ほどに抑えられたという。喫煙者の多くはニコチンに対する依存があるが、このワクチンを打てば、たばこを吸ってもニコチンによる刺激を得にくくなり、たばこを止めやすくなると期待されている。今回行われる臨床試験は、喫煙習慣のない健康な成人ボランティア20人を対象とするもの。ニコチンワクチンまたはプラセボ(薬効のない偽薬)を投与し、安全性や効果(ニコチンに対する抗体がどの程度産生されるか)を調べる。人間でも十分な効果が期待でき、重大な副作用も起こらないことがわかれば、喫煙者や元喫煙者を対象としたより大規模な臨床試験を行う予定だ。(平成14年6月19日 medwave) 6畳間でたばこ1本 有害物質濃度、環境基準4倍に 換気していない6畳間でたばこを1本吸うだけで、副流煙によって発がん物質やシックハウス症候群の原因物質などが基準値を大幅に上回ることが分かった。厚生労働省が国産たばこの人気7銘柄について調べた結果で、換気や分煙の重要性を裏付けた。実際に分析にあたったのは、委託先のカナダの検査機関。たばこ1本の吸い方は、1分間隔で1回2秒、35ミリリットル吸引とした。売り上げ1位のマイルドセブン・スーパーライトでは、ベンゼンは1本から0.303ミリグラム放出。換気されていない6畳間(約25立方メートル)では、環境基準の4倍の濃度に汚染される。シックハウス症候群の原因だけでなく発がん性も疑われるアセトアルデヒドは1.789ミリグラム。同省が定めた指針値の1.5倍。アセトアルデヒドは違法に使用された香料を含む食品が問題化したが、例えば回収された大塚製薬のウエハース2枚中に数ナノグラム(ナノは10億分の1)。たばこ1本の副流煙に含まれる量はこの10万倍以上だ。マイルドセブン、セブンスターなどほかの6銘柄でも、ベンゼンとアセトアルデヒドはいずれも基準、指針値を超えた。たばこの先から出る副流煙の方に、喫煙者が吸い込む主流煙よりたくさん含まれる有害物質も多い。いずれも発がん性が疑われるホルムアルデヒド(シックハウス症候群の原因物質でもある)、ベンゾピレン、イソプレンは、それぞれ37倍、20倍、18倍だった。 厚労省の分煙効果判定基準策定検討会は、今回の調査とは別の報告書で、ベンゼン、アセトアルデヒドなどは、空気清浄機では除去不十分のまま再放出されると警告している。(平成14年6月18日 朝日新聞) たばこは腰痛にもいけません たばこを吸う人ほど腰を痛めやすい、という喫煙と腰痛の因果関係を、日本大学医学部の松崎浩巳教授(整形外科)らのグループが突き止めた。背骨でクッションの役目を果たす椎間板(ついかんばん)がニコチン摂取によってつぶれやすくなることを、動物実験で確認。6日から宮崎市で始まる日本脊椎(せきつい)脊髄(せきずい)病学会で発表する。実験は、たばこを1日20本吸う人とほぼ同じ血中濃度のニコチンを、ウサギの体に4〜12週間続けて注入した後、解剖して椎間板の変化を調べた。ニコチンを長く与えたウサギほど、椎間板は弾力を失うことがわかった。弾力のない椎間板は弱い力でもつぶれやすい。つぶれた椎間板は背骨周辺の神経を刺激して腰の痛みをもたらす。これまで米国の大学の調査などで、腰痛患者の喫煙率が高いことは指摘されていた。だが、その理由は詳しくわかっていなかった。松崎教授は「椎間板の変化は、ニコチンによって血流障害が起き、コラーゲンが破壊されたためだろう。たばこへの疑惑は『灰色』から『クロ』に近づいた。腰痛に悩む人は、ぜひ禁煙を」と話している。(平成14年6月6日 朝日新聞) 両親が喫煙していると、女児が増える 妊娠前に両親が喫煙していると、女児が増える傾向にあることが、日本とデンマークの共同調査でわかった。生まれる子どもの男女比は、1960年代ごろからなぜか“女性優位”に変化してきており、性別のバランスを崩しかねない事態も懸念されている。19日発行の英医学誌「ランセット」に掲載される。 兵庫県赤穂市にある福田産婦人科麻酔科の福田操男院長と、デンマークのコペンハーゲン大学病院のアン・ビスコフ教授が、両国の1万1800人の乳児の性別と両親が受胎周辺期に喫煙していたかどうかを調べた。両親とも喫煙しないと答えた子どもの男女比は女児1人に対し男児1・21人と男児の率が最も高かった。両親とも1日20本以上喫煙する場合は0・82人で逆に女児の生まれる割合が高かった。母親が喫煙しなくても、父親が1日20本以上吸っていれば、0・98人でやはり女児の割合が高い。 福田院長によると、日本で1960年代に生まれた子どもの男女比は、女児1人に対し男児1・06人だったのが2000年直前には1・045人まで低下したという。喫煙の影響について、ビスコフ教授は「男性の性染色体を持つ精子が、女性のそれより影響を受けやすいのでは」という。(平成14年4月19日読売新聞) 病院の禁煙は患者に厳しく医者に甘く 患者には禁煙を勧め、医師は裏でスパスパ――。先進国の病院は、全面禁煙が常識だが、日本では患者に厳しく、医師ら職員には甘い“二重基準”がまかり通っている実態が全国調査でわかり、4日から仙台市で始まる日本呼吸器学会で発表される。 市立堺病院(大阪府)の大成功一(おおなるこういち)医師が、全国348の厚労省研修指定病院にアンケートし、220病院から回答を得た。 建物内を全面禁煙にしているのは24病院、一方、全く規制のない病院も2か所あった。 9割近くに当たる194病院は、何らかの分煙を行っていると答えた。だがその実態を見ると、喫煙場所を完全に区切るとか、分煙機器で煙が漏れ出さないといった国のたばこ対策の基準を達成しているのは、外来や入院患者向けに限っても、79病院(40・7%)しかなかった。 さらに医師や看護婦、事務職ら職員も含めて同様の規制をしているのは29病院(14・9%)に過ぎず、患者には厳しく職員に甘い二重基準が見られた。医師ら職員には何の規制もない病院も20%前後あった。 大成医師は、「病院の遅れた意識を変えるには、今後、病院名の公表を前提とするような調査が必要かもしれない」と話している。(平成14年4月3日読売新聞 ) |
| たはら整形外科の表紙へ戻る |