民間療法について



「民間療法」に頼る患者

がんの病状が深刻化するほど、健康食品などの「民間療法」に頼る患者が増え、ホスピスの患者では6割を超すことが、厚生労働省研究班の調査でわかった。民間療法が効くかどうか科学的な情報は少なく、体験談を紹介する本などが出回っているが、全国の実態調査は初めて。 国公立のがんセンターなどの専門病院やホスピスなど127施設の患者たちへのアンケートで行われ、3094人が回答した。 民間療法を試みている患者は、全体では44・5%。がん専門病院では42・8%だったが、ホスピスなど末期患者の施設に限ると61・8%まで増加。根治が難しいホスピス患者は、症状の緩和を期待して民間療法を多く取り入れると研究班ではみている。 療法の内容は、健康食品が89・6%で圧倒的。このうち多いのはアガリクス茸(たけ)(キノコの一種)59・5%、プロポリス(ハチが持つ粘着性物質)21・7%、AHCC(複数のキノコから作った物質)7・7%、サメ軟骨6・4%など。他はわずかだが漢方、気功、鍼(はり)などだった。費用は月平均で5万7000円。半数以上が4万円までだったが、20万円以上かける患者もいた。家族や友人の勧めで試みた人が77・7%で、症状の緩和など効果があったと答えた患者は24%だった。研究班長の兵頭一之介・国立四国がんセンター内科医長は「真偽の確かめようがない情報も多い中、患者に適切な情報をどう発信するか、実態調査はその第一歩」と話している。(平成14年10月19日 読売新聞)

がん民間療法の効果を検証へ

キノコ類やハーブ類などを使った民間のがん代替療法の実態調査を、厚生労働省の研究班が始めた。科学的な根拠が乏しく、専門医の多くが効果に疑問をもちながらも代替療法にすがる患者も少なくないとみられる。研究班は、がん専門病院やホスピスなど全国60以上の施設で数千人にアンケート。効果や副作用の検証につなげたい考えだ。主任研究者の兵頭一之介・国立病院四国がんセンター内科医長によると、患者に、代替療法の経験やその種類、費用、副作用の有無、その程度などを聞く。病状や不安、ストレスも尋ね、どんな気持ちから代替療法を使うのかも調べる。代替療法には様々なものがある。痛みをとる針きゅうや香りによるアロマセラピーなど補完療法とも呼ばれるものは治療が目的ではなく、気持ちを癒やしたり症状を軽くしたりする効果を狙う。これに対し、多くの医師が頭を悩ますのは治療を目的に健康食品などを使うケース。臨床試験で科学的に有効とされたものはほとんどない。兵頭医師らが専門医約750人に尋ねたところ、8割が「効果はあまりない」と答えた。ところが、多くの患者ががんが治ることを期待して代替療法を選んでいるとみられる。四国がんセンターで入院患者192人に聞いた結果、3割が試していた。費用は月に10万円以上が1割。20万円以上の人もいた。こうした実態を全国的に調べた例はない。研究班は秋までにデータをまとめる予定。内外の文献を調べ、科学的な根拠があるものをデータベース化する計画もある。(平成14年4月11日 朝日新聞)


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