医療類似行為について



「適正利用」呼びかけたら支払い2割減 整骨院など

全国86の健康保険組合でつくる「保険者機能を推進する会」(代表世話人、肥田淳司日本航空健康保険組合常務理事)が、患者に整骨院・接骨院の適正な保険利用をびかけたところ、保険支払額が半年足らずで約2割も減った。整骨院などをめぐっては、こりなど保険対象外でも別の病名を使う不正請求が多発している疑いがあり、国会でも正化を求める指摘が出ている。整骨院などで保険が使えるのは、ねん挫や打撲などの外傷に限られる。同会会員の50組合が作る医療費適正化委員会は、それを説明する冊子約100万部を昨年12月から患者に配布。疑わしい請求は患者に内容の確認を続けてきた。その結果、昨年11月に50組合で計1億8938万円だった整骨院などへの保険支払額が、今年4月には計1億5669万円に減った。中には支払額が4分の1以下に減った組合もあった。同委員会によると、外傷とは関係のない腰痛や肩こりなどの患者が通院を控えたため減少したとみられる。ただ、▽手当てしたのは1カ所なのに3カ所分請求▽4カ所のけがで寝返りもできないとして往診料の請求があった患者が実際には歯科医に通院していた――など不自然な請求も見つかった。委員長の権藤紘一・明治生命健康保険組合常務理事は「整骨院などの医療費は増加の一途で、問題のある請求も多い。2割減では不十分で、さらに活動を続けていく」と話している。整骨院などへの保険支払額は医療保険全体では、90年度の1669億円から00年度には2748億円と1.65倍に増え、同じ期間の国民医療費の伸び(1.47倍)を上回っている。(平成15年7月5日 毎日新聞))

カイロプラクティックが脳卒中を誘発

首をごきごきっと左右にひねるなどの手技で知られるカイロプラクティック(整体の一種)に、脳卒中を誘発する恐れがあることがわかった。 脳卒中患者を対象とした、米国の症例対照研究から判明したもので、カイロプラクティックにより、首の動脈が裂ける(椎骨動脈解離)タイプの脳卒中が6倍以上増えるとの見積もりになるという。 調査結果は、Neurology誌5月13日号に掲載された。 脳卒中には様々な原因があるが、若い人の場合、椎骨動脈解離による脳卒中が2割弱を占めるとされる。椎骨動脈解離は、首を急にひねることで起こることがあり、日本でも「ゴルフで球を打った後、首を急にひねって球の方向を見た」「カイロプラクティックで施術者に首をひねられた」などのケースで、脳卒中が起こったという報告がある。 米国California大学San Francisco校神経内科のW. S. Smith氏らは、同病院などを受診した60歳未満の脳卒中患者から、椎骨動脈解離により脳卒中を起こした51人と、同じ性別・年齢で、椎骨動脈解離以外の原因で脳卒中を起こした100人を抽出。椎骨動脈解離による脳卒中の危険因子を幅広く調べた。 その結果、椎骨動脈解離で脳卒中を起こした人(平均年齢:41歳、女性が59%)では、他の原因で脳卒中を起こした人(平均年齢:44歳、女性が58%)より、カイロプラクティックを発症1カ月以内に受けた人が多いことが判明。 脳卒中の前に頭や首の痛みがあった人も多かったが、そうした点で補正しても、カイロプラクティックが椎骨動脈解離のリスクを6.62倍増やすとの計算になることがわかった。 注意すべきなのは、もともと椎骨動脈の解離があって、そのために頭や首が痛み、それを治そうとカイロプラクティックを受けた人が含まれている可能性があること。 しかし、この点を割り引いても、6倍以上の増加は軽視できないと研究グループはみており、「カイロプラクティックの施術者は、施術により椎骨動脈が解離するリスクがあることを、事前に説明すべき。 また、カイロプラクティックを受けた後、頭痛や首のひどい痛みが生じた場合は、すぐに病院に行くべき」と提言している。(平成15年5月21日medwave)】

柔道整復師:見落としミス、年間694件に

 整骨院や接骨院を開業する柔道整復師の「施術」で、悪性骨腫瘍(しゅよう)など の重大な病気や骨折の見落としなどが相次いでいる。開業医でつくる日本臨床整形外科医会のアンケート調査では、最近1年間で約1000人の医師から694件の回答 があった。これを受け日本整形外科学会は「医師の診断がない施術は危険」として、近く厚生労働省に対策を要望するが、日本柔道整復師会は「600件程度なら許容範 囲だと思う」と反発している。柔道整復師は柔道整復師法で定められた資格で、業務は「骨折、脱臼、打撲、ねん 挫等」に限られる。診断や投薬、レントゲン検査はできず、患部に手で行う施術が基本で、骨折と脱臼の施術には医師の同意が必要。しかし、打撲かねん挫と判断した場 合は医師の同意なしで施術でき、その時点で事実上、病名を「診断」しているのが実情だ。整骨院や接骨院は96年の約2万1000カ所から00年には約2万4500 カ所に増え、00年現在で3万830人が資格を持つ。日本臨床整形外科医会は、今年3月末までに会員5175人に「施術ミス」につい てアンケート調査し、1065人(20・6%)が回答した。その結果、最近1年間で計694件に上り、内容は不適切な施術による症状悪化356件▽重い後遺障害1 18件▽施術による骨折106件▽悪性骨腫瘍の見落としや死亡23件――などだった。中部地方の50歳代の女性は98年12月、転倒して左足を痛めた。柔道整復師は 「骨折していない」と施術をしたが改善せず、2カ月後、病院で「足首の骨折部分が変形したままつながり、手術不能」と診断された。この女性は「正確に診断できない 柔道整復師に通ったことを後悔している」と言う。関西の大学病院には昨年4月、腰痛で2カ月間施術を受けていた50歳代の男性 が、がんが転移して骨盤が溶けたような状態になって転院し、4カ月後に亡くなった。日本整形外科学会は「打撲やねん挫でも診断のためレントゲンなどで検査すること も多い。正しい診断のない施術には危険性がある」と指摘する。厚労省に、打撲やねん挫も応急処置後、速やかに専門医の診察を受ける制度の導入や、業務範囲の徹底を 求める。日本柔道整復師会は「われわれの手はレントゲンより正確だが、見落としもある。 打撲やねん挫でも医師の同意が必要になると、患者が減って死活問題になる」と話している。厚生労働省医政局医事課の話 柔道整復師は業務範囲かどうかの判断はできるはず だが、要望を受ければ検討したい。(平成14年5月18日 毎日新聞)


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