免疫と栄養について



熟したバナナで免疫力UP

見た目は多少悪くても、よく熟したバナナの方が免疫力を高める効果が大きいことが、帝京大薬学部の山崎正利教授らの実験でわかった。山崎教授らはこれまで、バナナが果物の中でも特に免疫力を高める効果が高いことを明らかにしているが、今回は熟成の度合いと免疫力の関係を調べた。 青いバナナを、店で売る場合と同様にエチレンガスで熟成処理し、皮全体が黒っぽくなる10日目まで、成分抽出液をマウスの腹部に入れ、免疫をになう白血球の数や、免疫を強める生理活性物質の量を調べた。 その結果、日数がたったバナナほど白血球を増やす効果があり、10日目のバナナは、初日のバナナより白血球を5倍多くしていた。この日数は、お店で買ったバナナの「購入後8〜9日目」に相当するという。生理活性物質は、5〜7日目(店頭購入後4〜6日目)のバナナで最も増えていた。 (平成17年4月2日 読売新聞)

がん抑える野菜、キノコ

ブロッコリーや白菜などのアブラナ科野菜や、シメジやナメコなどのキノコを多く食べる人は、あまり食べない人に比べ、胃がんや大腸がんになりにくい。国立がんセンター研究支所(千葉県柏市)などの調査でこんな傾向がわかった。

長野県内の4か所の医療機関で、胃がんや大腸がんにかかった患者計364人と、人間ドックを受診した健康な517人に、日ごろどんなものを食べているか詳しく尋ね、年齢など、さまざまな条件を考慮して統計的に分析した。 すると、ブロッコリーや白菜、小松菜などアブラナ科の野菜を週3回以上食べている人は、週1回未満の人に比べ、大腸がん、胃がんになりにくいことがわかった。特にブロッコリーをよく食べる人で、その傾向が顕著だった。 キノコでも同様で、ブナシメジを週1回以上食べる人は、食べない人に比べて胃がんになりにくかった。

アブラナ科野菜やキノコ類は、がんを抑える可能性が以前から指摘されていた。花岡知之・同支所臨床疫学研究部室長は「統計的にも、ある程度は裏付けられたと思う」と話している。(平成15年10月21日 読売新聞)

日本人女性の半数はビタミンD不足


健康な中高年女性500人を対象とした調査で、調査対象女性の半数以上が「ビタミンD不足」状態にあるとみなせることが明らかになった。血中ビタミンD(25OHD)濃度が極端に低い人では、有意に骨折も多かったという。神戸薬科大学衛生化学研究室の岡野登志夫氏、成人病診療研究所の白木正孝氏らの研究グループによる厚生労働科学研究の結果で、10月9日の一般口演で発表された。

調査の対象は、成人病診療研究所を受診した、長野県在住の健常女性464人(30〜95歳、平均年齢65歳)。血中ビタミンD濃度の季節変動や年齢との関連、骨代謝に与える影響などを評価した。さらに、測定に保険適応がないなどの理由で日本人における基準値が不明確な25OHD濃度の“正常範囲”を、副甲状腺ホルモン(PTH)濃度や骨折有病率を指標に検討した。

その結果、日照時間を反映して、血中ビタミンD濃度は冬季で低く、夏季で高いという季節変動はみられたが、年齢にはまったく依存しないことが判明。 PTH濃度とは負の相関があり、ビタミンD濃度の低下で、骨代謝回転を司るPTHが代償的に上昇することが確かめられた。腰椎骨密度とは正の相関が認められた。次に研究グループは血中ビタミンD濃度で全体を5分し、PTH濃度や骨折有病率が有意に上昇する血中ビタミンD濃度を評価した。すると、最も血中ビタミンD濃度が高い群(30ng/ml以上)と比べ、10ng/ml未満の群では骨折有病率とPTH濃度がいずれも有意に上昇。 20ng/ml未満までの群ではPTH濃度が有意に上昇していた。なお、ビタミンDは脂溶性ビタミンだが、血中濃度と体格指数(BMI)との関連は認められなかった。

以上から岡野氏らは、血中ビタミンD濃度が10ng/ml未満の人は“ビタミンD欠乏症”、20ng/ml未満の人は“ビタミンD不足状態”とみなせると結論。「欠乏症」は全体の2.2%とわずかだが、20ng/ml未満の「ビタミンD不足状態」の人は全体の55%にも達することから、「これまで考えられていた以上に、日本人ではビタミンD不足の人が多い可能性がある」と話した。

ビタミンDは骨代謝などに好影響を与えるほか、複数の介入試験で高齢者の転倒を防ぐことも示されている。骨代謝という一つの観点からの評価ではあるが、女性の過半数で不足しているというのは、実は大変な事態ではないだろうか。男性を対象とした同様の評価を進めると同時に、現行の栄養所要量の見直しなど、国民の健康増進に向けた具体的な行動が必要な段階に来ていると言えそうだ。(平成15年10月14日 medwave)

乳酸菌摂取で加齢による免疫力低下改善

日本女子大学の研究チームは、乳酸菌を摂取することで加齢によって低下した免疫力を改善できることを動物実験で確認した。細菌やウイルスの感染症や寄生虫症の患者数は60歳前後から急増し、死亡者も多くなる。食べ物などから乳酸菌を摂取すれば、腸内の善玉菌が増えて感染症の予防効果が期待できるという。 研究チームは、免疫力の低下した高齢マウスに乳酸菌を与え、腸管から分泌される「IgA」と呼ばれる抗体の量を測定した。乳酸菌を2週間与え続けたところ、この抗体の分泌量は摂取前の2倍以上に増加したという。 さらに食べ物を飲み込めないなどの理由で高齢入院患者に多く見られる栄養素が欠乏した状態をマウスで再現。このマウスに乳酸菌を与えると抗体の分泌量が増加することも確かめた。(平成15年8月12日 日経産業新聞)


たはら整形外科の表紙へ戻る