放射線治療・検査


心臓ペースメーカー、X線撮影でも誤作動の恐れ

胸部X線撮影など比較的被曝線量が少ない場合でも心臓ペースメーカーに不要な電流が流れ、誤作動を起こす恐れがあると、大阪市であった12日の日本医科器械学会で発表された。 被曝線量の多いCT(コンピューター断層撮影)では特定のペースメーカーが誤作動を起こすため、厚生労働省が昨年から指導を始めていた。広瀬稔・北里大助教授(臨床工学)らが、3機種のペースメーカーに胸部撮影などに使っているX線を当てて影響を調べた。 その結果、内部回路にX線が当たると、不要な電流が発生。 それが心臓からの信号と誤認され、誤作動になる場合があると分かったという。 X線を当てる方向や強さによって誤作動は、起きたり起きなかったりした。 実験に使った3機種のうち、1機種は誤作動を起こさなかった。 広瀬さんは「医療現場や健康診断でも、鉛でペースメーカーを守ったり、深刻な誤作動に備えたりすることを考えてほしい」とリスクを減らす努力が必要だとしている。 ペースメーカー使用者は国内に約30万人いるとされる。製造会社などでつくるペースメーカ協議会は「通常のX線撮影で影響が出た実例は聞いていないが、必要があれば業界として対応したい」と話している。 厚労省は昨年5月、CTでX線を当てないように製品に表示するようにメーカーを指導。 その後、医療機関には、ペースメーカーを使う患者にCTで5秒以上のX線照射をしないように呼びかけていた。(平成18年5月13日 朝日新聞)

「PET/CT」30病院すでに導入

小さながんでも、迅速に発見できる最先端の画像診断装置「PET(ペット)/CT」を導入する医療機関が急速に広がっている。国内向けに機器の販売が始まったのは昨年末だが、すでに全国約30か所の病院に配備されている。PET/CTは、増殖するがん細胞が糖分を大量に摂取する性質を利用し、放射性物質を含んだ糖を注射して、放射線強度を測定してがんを発見するPET(陽電子放射断層撮影)と、CT(コンピューター断層撮影)を組み合わせた装置。 PETだけ、あるいはCTだけでは見つかりにくい1センチ未満のがんを発見できるという。日本では、GE横河メディカルシステムに続き、シーメンス旭メディックも9月に市場参入した。PET検査は、がんや心臓病を疑われる患者に保険適用されており、PET/CT検査もこれに準じる。ただ、治療の必要のない微小な病変が多く見つかる問題点も指摘され、病変の見極めが課題となっている。(平成16年12月6日 読売新聞)

病巣追い正確にX線照射するがん治療装置

三菱重工業は1日、がん治療装置「高精度四次元放射線治療装置」を神戸市の先端医療センター別棟に設置した。病巣を動体追尾して正確にエックス線を照射できるのが特徴で、患者への負担を軽減できる。2005年度にも販売する方針で、医療機器市場に本格参入する。がんの病巣をエックス線で治療する場合、患者の呼吸などに伴い病巣も動く。このため、新装置では弱いエックス線で病巣位置を特定し追尾する。治療用の強いエックス線を出す部分には首振り機能を持たせ、病巣の移動に合わせエックス線も移動。治療が必要な病巣への集中照射が可能になる。動体追尾して照射するのは世界で初めてという。従来の放射線治療装置では病巣の移動範囲を考慮して幅広く照射するため、健常細胞も放射線を浴びることになる。 先端医療センターは神戸市の外郭団体が運営し、市が進める神戸医療産業都市の中核施設。新治療装置の臨床研究は医療行為のできる先端医療センターが進める(平成16年12月1日 日本経済新聞)

女性のがん専門医育成 

産婦人科医が中心の日本婦人科腫瘍(しゅよう)学会が、女性特有の卵巣がんと子宮がんの専門医育成に乗り出す。来年1月に暫定指導医を認定、06年から研修を始める。高度な知識や先進技術を持つ医師が必要とされていることにこたえる。患者が医師を選ぶ目安になりそうだ。卵巣がんは食生活の欧米化で罹患(りかん)率や死亡率が上がりつつある。子宮がんは若い患者が増え子宮温存を望む人の割合が高まっているという。 また、子宮頸(けい)がんの治療では、同じ進行度3期でも、子宮内に放射線源を入れて治療する腔内(くうない)照射を受けた患者は5年生存率が64%、受けなかった患者は23%と大差が生じるとの厚生労働省研究班の調査結果があるが、腔内照射の設備を持つ施設、技術を持つ医師は、ともにまだ少ない。 こうした状況に対応するため、当初は大学病院を中心に研修施設と暫定指導医の認定を始め、専門医をめざす医師らに認定施設で3〜5年の研修を積んでもらう。09年に第1陣の専門医が誕生する予定だ。(平成16年11月21日 朝日新聞)

放射線治療施設、3分の1は常勤医不在

昨年、放射線治療を実施した全国726の医療機関のうち、32%の234施設には常勤の放射線治療医がおらず、29%の209施設は新規患者数が治療の質を保証する目安とされる100人に達していなかった。千葉市で19日あった日本放射線腫瘍(しゅよう)学会で、データベース委員会が報告した。大きな施設間格差が生じると懸念されている。 年間の新規患者は14万9793人で、01年の推計に比べ13%増えた。うち98%ががん患者で、がん患者の4〜5人に1人が放射線治療を受けた計算になる。1施設平均206人だが、最も多い施設は1539人、少ない施設は4人と極端に差が大きかった。常勤の放射線治療医がいない施設では、アルバイトの治療医や放射線診断医が治療していた。放射線治療の診療報酬は、年間患者数が100人未満だと減額され、常勤の放射線治療医がいると加算されている。 調査をまとめた渋谷均・東京医科歯科大教授は「施設側の経験度や専門性が低いと、治療中のトラブルに目が行き届かず、十分に対応できない恐れがある。患者数の格差は、経験豊かな病院への患者の集中を示しているともいえる」と話す。 同学会は、経験度や態勢の条件を満たした施設や治療医の認定制度を導入、ホームページで公表している。(平成16年11月20日 朝日新聞


たはら整形外科の表紙へ戻る