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アキレス腱は人体で最大の腱です。アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋が合体したもので、踵骨(かかと)の後方突起に付着しています。 アキレス腱炎とは、アキレス腱自体が微細な部分断裂によって炎症を起こした状態を言います。アキレス腱周囲炎とは、アキレス腱周囲の結合組織(パラテノン)が炎症を起こした状態を言います。アキレス腱滑液包炎(アキレス腱付着部炎)とは、アキレス腱付着部周辺にある滑液包が炎症を起こした状態を言います。これらの病態メカニズムは多少の違いがあるものの、症状や治療についてはほぼ同様です。 原因はスポーツ活動や長時間の作業による慢性的なアキレス腱への刺激や間違った靴選びによって発生すると考えられています。 症状は痛みや腫れです。中には、痛みのために足首の運動障害や歩行障害を認める症例も経験します。診察ではアキレス腱の肥厚や圧痛、足首の運動制限などを認めます。レントゲン検査では特徴的な異常所見はありません。時に、アキレス腱の肥厚(CR軟部組織撮影)やアキレス腱付着部の骨棘(骨のとげ)を認めることもあります。 治療は保存的治療(手術しない方法)が原則です。まず、誘因となったスポーツ活動を一時中止していただき、薬物療法として短期間の非ステロイド系抗炎症剤を処方し、リハビリテーションとして温熱療法やストレッチング、筋力強化訓練を指導します。頑固な症例ではステロイド注射を試みたり、ギプス固定を勧める場合もあります。再発を繰り返す症例ではアキレス腱にかかる負担を軽減する目的にて装具療法(足底板)の装着を勧めます。 手術的治療は保存的治療にて改善されない症例や再発を繰り返す症例、スポーツ活動への早期復帰を希望される症例が対象となります。手術はアキレス腱周囲の瘢痕化した組織を摘出し、癒着したアキレス腱を剥離します。一般的に、アキレス腱炎は早期に適切な指導や治療を行えば、予後(治り)は良好です。従って、出来るだけ早期の整形外科専門医への受診をお勧めします。 尚、同様な症状を呈する疾患としてアキレス腱石灰化症がありますが、レントゲン検査にてアキレス腱周囲に石灰化像が認められることより診断は容易です。 |
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