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骨や関節にできる腫瘍を骨腫瘍と言います。骨腫瘍は原発性骨腫瘍(最初から骨や関節に腫瘍が出来るもの)と、続発性骨腫瘍(乳癌や肺癌、前立腺癌、腎癌などの他の臓器から癌細胞が転移して二次的に腫瘍が出来るもの)と、骨の腫瘍類似疾患(限りなく骨腫瘍に似たもの)とに分かれます。 [ 原発性骨腫瘍 ] 原発性骨腫瘍はどの細胞から腫瘍が発生、由来したかによって分類が異なります。すなわち、骨細胞由来か、軟骨細胞由来か、線維細胞由来か、血管系由来か、リンパ系由来か、脂肪細胞由来か、神経細胞由来か、などによって様々に分類されます。又、原発性骨腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍とに分かれます。発生頻度と好発年齢(よく起こる年齢)、好発部位(よく起こる場所)については以下の如くです。 良性腫瘍では、骨軟骨腫(10〜20歳、膝周囲に多く、単発性と多発性とがある)が最も多く、次に軟骨腫で(10〜20歳、手指・足趾など部位に多く、単発性と多発性とがある)、巨細胞腫(20〜30歳、上腕骨・大腿骨・脛骨・脊椎などの部位)、非骨化性線維腫(10歳前後、大腿骨・脛骨などの部位)、類骨骨腫(10〜20歳、大腿骨・脛骨などの部位)、軟骨芽細胞腫(10〜20歳、脛骨・大腿骨・上腕骨などの骨端部に発生)などを認めます。治療は症状が無く、悪性化の可能性が無ければ経過観察します。しかし、痛みを認める症例や病的骨折(腫瘍が大きくなり、骨を破壊して骨折を起こす状態)の可能性のある症例では腫瘍摘出術を行います。良性とは言え、自然に治るタイプのものや悪性化するタイプのものまで様々ありますので注意深い観察が必要です。手術の時期や術式(手術の方法)については腫瘍の特性を熟考し、年齢や仕事、趣味、生活様式、スポーツ活動などを十分に検討した上で決定します。 悪性腫瘍では、骨肉腫(10〜20歳、大腿骨・脛骨・上腕骨などの部位)が最も多く、次に骨髄腫で(40〜60歳、頭蓋骨・脊椎・骨盤・肋骨などの部位)、軟骨肉腫(30〜60歳、股関節・肩関節などの四肢だけでなく、体幹にも好発)、Ewing肉腫(5〜20歳、骨盤・大腿骨・上腕骨・脛骨などの部位)、悪性線維性組織球腫(40〜60歳、股関節・肩関節などの部位)などを認めます。悪性を疑うレントゲン所見としては、骨腫瘍と正常組織との境が不明瞭である事や骨膜反応(腫瘍が大きくなると骨を破って外に出ます。その際、骨を覆っている骨膜が刺激され、逆毛状、たまねぎの皮状、陽光状、ビロード状などを呈する状態)を認める事や骨腫瘍が周囲の組織を溶かすように破壊、進行して行く事などが挙げられます。さらに、必要に応じて補助的診断法として、血液検査やCT、MRI、骨シンチグラフィー、血管造影などが行われます。確定診断には病理組織検査が必要です。治療は骨腫瘍の種類や発生部位、大きさ、周囲への浸潤度、悪性度、転移の有無、合併症などを熟考し、化学療法や放射線療法、手術的治療などが検討されます。四肢に発生した悪性腫瘍は広範切除術(単に腫瘍だけを摘出するのではなく、一部の正常組織も付け加えて摘出する方法)を行います。切除後は欠損部を骨移植術や人工関節術などで補い、出来るだけ四肢の機能の温存に心がけます。 [ 続発性骨腫瘍 ] 続発性骨腫瘍とは、他の臓器から癌細胞が骨や関節に転移して二次的に骨や関節に腫瘍が生じたものを言います。続発性骨腫瘍は40〜70歳に好発し、骨腫瘍の中では最も高頻度に認められます。好発部位は脊椎や骨盤、大腿骨、上腕骨、肋骨などで、大半が多発性です(色々な部位にできます)。 原因となる疾患は乳癌が最も多く、次に、肺癌や前立腺癌、腎癌、胃癌、子宮癌、肝癌などからの転移をよく認めます。主な症状は痛みです。痛みは体動時のみならず、安静時にも認められます。時に、病的骨折(腫瘍が大きくなり、骨を破壊して骨折を起こす状態)を認めます。脊椎に転移すると、脊髄を圧迫して脊髄損傷を来たすこともあります。診断はレントゲン検査が不可欠で、補助的診断法として血液検査(腫瘍マーカーなど)や骨シンチグラフィー、CT、MRIなどが行われます。特に、骨シンチグラフィーは全身の骨転移を早期に把握できるため非常に有益です。確定診断には病理組織検査が必要です。 治療は痛みを取り除き、日常生活動作を改善する事に尽きます。癌が骨に転移したと言うことは、すでに病状は末期と考えます。それ故、痛みを如何にして取り除くかが重要な課題となります。保存的治療(手術しない方法)としては化学療法や放射線療法、ホルモン療法などを行います。痛みに対しては鎮痛剤(非ステロイド系抗炎症剤、コデイン、モルヒネなど)を投与します。また、各種の神経ブロック療法を検討します。手術的治療は、病的骨折を起こした症例や脊髄損傷によって四肢麻痺(手足の機能が麻痺した状態)を来たした症例に行われます。手術は症例に応じて骨接合術や骨移植、人工関節、神経徐圧術や各種の固定術などが検討されます。 [ 骨の腫瘍類似疾患] 骨の腫瘍類似疾患とは、真に腫瘍と判断できないが、限りなく骨腫瘍に似たものを言います。発生頻度や年齢、部位を見ますと骨嚢腫(20歳以下、肩関節・股関節・膝関節・踵骨などの部位)が最も多く、次に線維性骨異形成症(20歳以下、大腿骨・下腿骨などの部位)、骨組織球症(10歳以下、大腿骨・脊椎・骨盤・上腕骨などの部位)、動脈瘤様骨嚢腫(10歳台、大腿骨・脛骨などの部位)などを認めます。診断や治療に関しては原発性骨腫瘍とほぼ同様に扱われます。 |
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