糖尿病



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糖尿病とは

糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが十分に働かなくなったために、血液中に利用できなくなったブドウ糖が増えて高血糖になった状態をいいます

ブドウ糖は、あらゆる細胞のエネルギー源ですが、高血糖が長く続くと、逆に全身の血管や神経、その他さまざまな臓器に障害を引き起こし、万病のもとになります。現在、わが国では糖尿病の患者さんは700万人程度で、糖尿病予備軍を含めると1400万人程度といわれており、今後ともかなりの勢いで増えつづけてゆくものと思われます。



ブドウ糖について

ブドウ糖は、ごはん、パン、果物などの糖質が消化されて出来たもので、小腸で吸収されて血液中に入ります。血液中のブドウ糖はあらゆる細胞に運ばれてエネルギー源として利用されるほか、グリコーゲンという物質になり肝臓や筋肉に蓄えられたり、脂肪に置き換えられたりします。このようなブドウ糖の変化を調節しているのが膵臓から分泌されるインスリンというホルモンです。

しかし何らかの原因でインスリンの分泌が低下したり、正常に作用しなくなるとエネルギー源としてブドウ糖が利用できなくなり、高血糖を招き、色々な臓器に様々な障害をもたらしはじめます。



糖尿病の分類と原因について

糖尿病は血液中のブドウ糖の濃度を支配しているインスリンというホルモンが体内で十分に作用しなくなったために起こる病気で、T型糖尿病とU型糖尿病に分かれます。

T型糖尿病 (いわゆる小児糖尿病)

インスリンがまったく分泌されなくなったタイプをいいます。頻度としては糖尿病患者の1〜3%程度です。大半が15才以下の小児に発病します。

原因はウイルスなどの感染をきっかけに自己免疫反応(自分の細胞を敵「異物」と間違って、自分が自分自身を攻撃する反応)が働き、膵臓のβ細胞を破壊してしまいます。その結果、インスリンの分泌が低下し、ブドウ糖を利用できなくなり高血糖を生じさせます。最後には、インスリンはほとんど作られなくなりますので治療にはインスリンの注射が欠かせません。それ故、別名、「インスリン依存型糖尿病」とも言われています。

U型糖尿病 (いわゆる成人糖尿病)

インスリンの分泌量の低下やインスリンに対する感受性の低下により発症するタイプをU型糖尿病と言います。日本人の糖尿病の95%程度を占めています。

原因は遺伝素因のある方に、食べ過ぎや運動不足、肥満などが加わってインスリンの分泌や作用が低下することが考えられます。



糖尿病の症状について

糖尿病はひとたび発病すると治ることはありません。そのまま放置すると重篤な合併症を招きますので早期診断、早期治療が必要です。

T型糖尿病では急激に発症し、喉の渇きや全身の倦怠感、多飲、多尿、急激な体重減少を認めます。U型糖尿病では肥満を認める以外、大半が無症状で徐々に発病します。

初期には全身の倦怠感や集中力の低下、喉の渇き、多飲、多尿、夜間尿、体重の減少を訴え、進行すると神経障害や網膜症、腎症、動脈硬化、感染症を併発し、失明や人工透析、腎臓移植、壊疽で手足の切断を余儀なくされる事も少なくありません。



糖尿病に診断ついて

診断には血液中の血糖値を測定します。早朝の空腹時血糖(126mg/dl以上)、又は食後血糖(200mg/dl以上)のいずれかを認め、しかも、これらの異常が2回以上確認されれば糖尿病と診断されます。尚、正常値は空腹時血糖(110mg/dl以下)で食後血糖(140mg/dl以下)です。

しかしながら、一般的に早朝空腹時の血糖が100mg/dlを超え、肥満があり、家族の中に糖尿病患者さんがおられる方は糖尿病を疑って、より正確な検査として経口ブドウ糖負荷試験を行う事をお勧めします。これはブドウ糖75gを飲んで、2時間後の血糖を測定します。2時間後の血糖値200mg/dl以上が糖尿病と診断されます。

又、糖尿病の診断や治療経過の判定にはHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が参考にされます。HbA1cとは赤血球中のHb(ヘモグロビン)にブドウ糖が結合したものですから、赤血球の寿命が120日間であることより、HbA1cを測定する事で長期間の血糖値が把握され、糖尿病の診断や治療判定の指標となります。尚、HbA1c値の正常値は4,3〜5,7%で、HbA1c値が6,5%以上を糖尿病と診断します。



糖尿病の治療法

糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法です。薬物療法は食事療法や運動療法でコントロールできない症例に行います。

食事療法

適切な食事を行い、過剰なエネルギー摂取を控え肥満を解消することが大切です。

運動療法

運動はインスリンの感受性を改善し、血糖値やインスリン値を低下させる作用を認めます

(適応)
合併症を認めない軽度の糖尿病が対象となります。糖尿病性網膜症や腎症、神経症などの重篤な合併症を有した症例は適応となりません。又、運動前の血糖値が250mg/dl以上、ケトン体陽性の場合は運動を控えていただきます。

(運動)
運動は食後1〜2時間後が最適です。40〜50%HRreserveより開始し、少なくとも30分間以上の運動を行い、200〜300Kcalの消費カロリーを目標とします。運動は出来れば毎日がよく、最低でも週3回以上行うことが大切です。

(注意点)
運動中には低血糖に注意をはらい、常にブドウ糖を携帯しておくことが大切です。

薬物療法

食事療法と運動療法をある程度行っても血糖の管理がうまくいかない時は薬物療法を併用します。薬物療法は血糖を下げる事を目的としますが、その下げ方により何種類かに分かれます。

  スルフォニル尿素薬(SU剤)

膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促す作用
があり、最も使用頻度が高い薬です。グリベンクラミド(商品名オイグリコン)、グリクラジド(グリミクロン)、ナテグリニド(スターシス、ファスティック)、グリメピリド (アマリール)などがあります。

  αグルコシダーゼ阻害薬(α―GI)

食事に含まれている糖質が腸で分解されてブドウ糖に変化する際にαグルコシダーゼという酵素が必要です。αグルコシダーゼ阻害薬はαグルコシダーゼという酵素の働きを抑制する事で食後の急激な血糖値の上昇を抑える薬です。尚、この薬はインスリン分泌作用はありません。アカルボース(商品名グルコバイ)、ボグリボース(ベイスン)などがあります。

  インスリン抵抗性改善薬

インスリン抵抗性(インスリンは正常に分泌されているが、細胞でのインスリンの効きが悪い状態)を改善する薬です
。メトホルミン(商品名メルビン)、ピログリタゾン(アクトス)などがあります。

  インスリン療法

インスリン自身を注射で補充する方法です
。遺伝子の組み換えによりできたヒトインスリンを使用します。作用発現時間と作用持続時間により超速効型、速効型、中間型、混合型、持続型とに分かれます。


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