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肩関節は脱臼を起こし易い関節の一つです。これは他の関節に比べ、関節を構成する肩甲骨関節窩と上腕骨頭の接触面積が少ない(関節窩は上腕骨頭の面積の4分の1しかない)ためと考えられます。肩関節脱臼は若年者ではスポーツ活動中に、高齢者では転倒によって、又、片麻痺の患者さんにおいては軽微な外力によって発生します。 脱臼のタイプとしては前方脱臼と後方脱臼とがあります。大半(95%)が前方脱臼です。症状は肩の痛みと腫れ、運動障害(健側の手で脱臼した腕を支え、肩を全く動かそうとはしません)です。診断はレントゲン検査が不可欠です。その際、骨頭骨折や腋窩神経麻痺、腱板損傷の有無に注意をはらう事が肝要です。 治療は出来るだけ早期に徒手整復術を行います。まず、関節内に局所麻酔剤を投与し、Stimson法(ベットにうつ伏せになり、腕を下垂させ3kg程度の重しを持たせ、重しによる牽引力で整復させる方法)で自然整復を試みます。その他の牽引整復法としてHyppocrates法があります。又、てこを利用した方法としては、Kocher法やLeidelmeyer法などがあります。もし、上肢の筋肉の緊張が強く整復に困難を感じる様であれば、腕神経叢ブロックや静脈麻酔および全身麻酔にて筋の緊張を取り除き、整復操作を行います。整復後は肩関節下垂内旋位で3週間固定します。尚、若年者では高率(60%程度)に再脱臼を発生しますので、固定後の肩のストレッチと筋力強化に気を配っていただきたいと存じます。 これらの保存的治療(手術しない方法)にて整復が出来ない症例や骨頭骨折を合併した症例では手術的に整復し、骨接合術などを行います。尚、脱臼整復後に数ヶ月に及んで肩の挙上困難を認める症例は腱板損傷が疑われますので要注意です。 |
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