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大腿骨頚部骨折は若年者にも認められますが、大半が骨粗鬆症を有する高齢者です。高齢者が転倒して股関節部の痛みを訴え歩行障害を認めた場合は、まず大腿骨頚部骨折を考えます。 大腿骨頚部骨折は関節内骨折(関節中で骨折するタイプ)と関節外骨折(関節外で骨折するタイプ)とに分かれ、そえぞれ内側骨折と外側骨折と呼ばれます。 大腿骨頚部内側骨折 内側骨折は外側骨折に比べて骨癒合(骨のつき具合)が良くありません。その理由として、関節内骨折である事や骨折によって骨頭への栄養血管が損傷され骨頭への血行が不良になるためだと考えられています。従って、内側骨折は軽度な骨折でも容易に偽関節(骨が完全につかない状態)や大腿骨頭壊死(骨頭が血行障害に陥り腐る状態)を発生し治療に難治します。 内側骨折はレントゲンで4つのstageに分類されます。すなわち、stage1は不全骨折です。stage2は転位(ずれ)のない完全骨折です。stage3は軽度な転位を認める完全骨折です。stage4は高度な転位を認める完全骨折です。これらの分類は内側骨折の治療や予後(治り)の判定に有用です。 治療は保存的治療(手術しない方法)と手術的治療とに分かれます。保存的治療は全身状態が良好(重篤な合併症がなく、1〜2ヶ月間ベッド上で安静の出来る方)でstage1とstage2の症例が対象となります。但し、欠点として長期臥床(安静)と免荷(体重をかけて歩けない状態)を強いる事があげられます。 手術的治療は骨接合術と人工骨頭置換術とに分かれます。その適応は年齢や性別、骨折のstage、活動性、趣味、合併症などを考慮し検討します。一般的に、75歳以下で、全身状態が良好で、stage1とstage2の症例では出来る限り骨接合術を選択します。75歳以上の高齢者で、各種の合併症を認め、stage3とstage4の症例では人工骨頭置換術が選択されます。手術後は出来るだけ早期にリハビリテーションとして股関節のストレッチングや筋力強化訓練を指導します。 大腿骨頚部外側骨折 外側骨折は内側骨折に比べて骨癒合(骨のつき具合)は良好です。その理由として、骨折が関節外である事や骨折部での血行が良好なためと考えらています。診断にはレントゲン検査が不可欠です。 治療は重篤な合併症がなく、手術に必要な体力を持ち合わせていれば、早期離床を目的に全例に各種の骨接合術を検討します。術式(手術の方法)は患者さんの年齢や合併症、骨折の形態、骨粗鬆症の程度によって判断されます。手術後は出来るだけ早期にリハビリテーションとして股関節のストレッチングと筋力強化訓練を指導します。 |
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