膝関節側副靭帯損傷



膝の側副靭帯は関節の側方の動揺性(横揺れ)を制動する事にあり、内側側副靭帯と外側側副靭帯とが存在します。側副靭帯損傷は外来でよく遭遇する疾患の一つですが、単なる捻挫として取り扱われ、見逃される事が多々ありますので要注意です。スポーツ活動中や交通事故による損傷が大半で、内側側副靭帯の損傷を多く認めます。

内側側副靭帯損傷

内側側副靭帯損傷
は膝に外反力が強制されて(膝の内側に張力が働いて)発生します。受傷時「ボキッ」と言う断裂音と共に膝の痛みや腫れを訴え、運動制限や歩行障害を認めます。陳旧例(時間の経過した症例)では膝が「ガクガク、グラグラ」すると言う不安定感を訴えます。診察では膝に外反ストレスを加えると不安定性が確認され、関節穿刺にて血腫(関節内に血が溜まる状態)を認めます。

診断はレントゲン検査で行われます。まず2方向撮影(前後像と側面像)を行い剥離骨折の有無をチェックします。次に外反ストレスレントゲン撮影(膝を20度曲げた状態で外反ストレスを加え、関節のすき間の開き具合を検査する撮影法)で靭帯損傷の有無と程度を検査します。すなわち、健側より3〜5mm関節裂隙(関節のすき間)が開く症例を軽度損傷例とし、6〜10mm開く症例を中程度損傷例とし、11mm以上開く症例を高度損傷例とします。高度損傷例の大半は十字靭帯損傷半月板損傷を合併しておりますので要注意です。

治療は保存的治療(手術しない方法)と手術的治療とに分かれます。保存的治療は軽度や中程度損傷例、他の靭帯損傷(十字靭帯損傷、半月板損傷など)の合併を認めない症例が対象となり、ギプス固定装具療法筋力強化訓練で経過観察します。

一方、高度損傷例や十字靭帯損傷や半月板損傷などの合併損傷を認める症例では手術的治療を考慮します。術式(手術の方法)は年齢や性別、趣味、活動性を考慮した上で靭帯修復術や各種の靭帯再建術などが検討されます。

外側側副靭帯損傷

外側側副靭帯損傷
は膝に内反力が強制されて(膝の外側に張力が働いて)発生します。単独での損傷は少なく、多くは十字靭帯損傷を合併しております。症状は内側側副靭帯損傷とほぼ同様で、膝の痛みや腫れ、不安定感を訴え、運動制限や歩行障害を認めます。診察では膝に内反ストレスを加えると不安定性を訴えます。

診断はレントゲン検査で確定されます。まず2方向撮影にて剥離骨折の有無を検討します。次に内反ストレスレントゲン撮影(膝を20度曲げた状態で内反ストレスを加え、関節のすき間の開き具合を検査する撮影法)で靭帯損傷の有無と程度を検査します。内側側副靭帯と同様に軽度損傷例(3〜5mm)、中程度損傷例(6〜10mm)、高度損傷例(11mm以上)とに分類されます。

治療は保存的治療と手術的治療とに分かれます。保存的治療はギプス固定装具療法筋力強化訓練にて経過観察します。しかし、外側側副靭帯損傷の大半は十字靭帯損傷を合併しているため、往々にして手術的治療が必要となります。術式は靭帯修復術や各種の再建術が検討されます。


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