踵骨骨折



踵骨骨折は比較的よく見られる骨折の1つです。高所より転落したり飛び降りた際に踵(かかと)へ長軸方向の外力が加わって発生します。そのため、踵骨骨折は圧迫骨折粉砕骨折になり易く、治療が難しい骨折の一つとなります。又、時に若年者の疲労骨折骨粗鬆症を基盤とした高齢者の疲労骨折として見受けられる事もあります。

症状は踵の激痛や腫れで、皮下出血や変形を認めます。診断はレントゲン検査で確定されます。予後(治り具合)は距踵関節(踵骨と距骨で出来ている関節)の損傷の程度により予測可能です。従って、出来るだけ解剖学的な状態に戻す事が大切です。すなわち、踵を原形に復元する事が重要です。特に距踵関節面を整える事が大切です。

治療は保存的治療(手術しない方法)が原則です。徒手整復術+ギプス療法リハビリテーション装具療法が行われます。徒手整復術は、まず患者さんを腹仰位(腹ばい)にして、下腿から足先までギプスを巻きます。直ちにギプスが乾かない内に術者が両手の平で踵を圧迫し、内反(内ひねり)や外反(外ひねり)、牽引力(引っ張る)を加え、転位した(ずれた)骨折を整復します。ギブス固定は症例に応じて2〜3週間とします。踵骨は海綿骨が豊富なため、短期間の固定でも容易に骨萎縮(骨が痩せる状態)を起こしますので、早期より骨萎縮予防のためにギプス内での等尺性運動を指導します。その後は、扁平足の予防と免荷目的(踵に体重をかけさせない目的)に足底板免荷装具を着用させ、徐々に荷重歩行(体重をかかての歩行)を開始させます。

手術的治療は関節面の転位(ずれ)が著しい症例に行われます。術式(手術の方法)は経皮的骨接合術(ピンや釘の様な器具を使用して皮膚の上から骨折部を固定する手術)や内固定術(皮膚を切開して骨折部を展開し、プレートなどの器具を使用して骨をつなぐ手術)などが検討されます。尚、長期にわたって距踵関節不適合による痛みを認める症例では関節固定術が検討されます。


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